今週(6月1日〜4日)の日本株市場、日経平均は週間+1.67%(+1,107円)と反発し、67,471円で週を終えました。ただし一歩引いて眺めると、TOPIXは同期間でわずか+0.19%にとどまり、指数間で大きな乖離が生じた1週間でした。半導体製造装置株が軒並み大幅高を演じる一方、ソフトバンクグループが-13.63%と急落するなど、市場内部の明暗がくっきりと分かれています。1日平均の値上がり銘柄数(101社)が値下がり銘柄数(147社)を下回っていたことからも、全体的な地合いが決して強いわけではなかったことがうかがえますね。
週間市場概況
| 指数 | 週始値 | 週終値 | 週間高値 | 週間安値 | 週間騰落 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 66,363円 | 67,471円 | 68,786円 | 65,551円 | +1,107円(+1.67%) |
| TOPIX | 417.80 | 418.60 | 426.10 | 410.80 | +0.80pt(+0.19%) |
週を通した日別の動きを振り返ると、月曜(6/1)は日経平均が前週末比+0.91%と反発スタートを切りました。火曜(6/2)は-0.30%と小幅調整が入りましたが、水曜(6/3)に一気に+2.50%の大幅高となり、週間高値68,786円を付ける場面もありました。この水曜の急騰が今週の山場でしたね。ただし木曜(6/4)には-1.36%と反落し、67,471円で週末を迎えています。
TOPIXの動きを見ると、月曜-0.10%・火曜-0.41%と週前半はわずかながらマイナスで推移し、日経平均とのズレが週初から生じていました。水曜は+1.92%と追随して上昇しましたが、その幅は日経平均(+2.50%)より小さく、木曜は-1.23%と同様に反落しています。この乖離は、日経平均採用銘柄の中でも時価総額上位の半導体装置株に資金が集中した結果と考えられます。
セクター別パフォーマンス
今週のセクター別騰落率は以下のとおりです。全33セクター中プラスは19セクター、マイナスは14セクターでした。
| セクター | 週間騰落率 | 銘柄数 | 週間ベスト銘柄 |
|---|---|---|---|
| 鉱業 | +6.79% | 1※ | INPEX +6.79% |
| 精密機器 | +6.38% | 5 | SCREENホールディングス +23.59% |
| 銀行業 | +4.34% | 10 | ゆうちょ銀行 +7.18% |
| ガラス・土石製品 | +2.76% | 6 | AGC +15.86% |
| 電気機器 | +2.45% | 33 | 東京エレクトロン +19.98% |
| 石油・石炭製品 | +2.35% | 2 | 出光興産 +2.95% |
| 海運業 | +1.97% | 3 | 日本郵船 +3.09% |
| 証券・商品先物取引業 | +1.52% | 3 | 野村ホールディングス +3.93% |
| 小売業 | +0.79% | 14 | ニトリホールディングス +8.24% |
| 機械 | +0.79% | 16 | ディスコ +13.25% |
| その他金融業 | +0.49% | 3 | 日本取引所グループ +1.52% |
| サービス業 | +0.17% | 10 | 日本郵政 +5.43% |
| 化学 | +0.07% | 20 | 東ソー +8.32% |
| 陸運業 | +0.01% | 8 | 東武鉄道 +4.92% |
| 電気・ガス業 | -0.06% | 5 | 関西電力 +1.86% |
| ゴム製品 | -0.64% | 2 | ブリヂストン -0.23% |
| 食料品 | -0.86% | 15 | キッコーマン +3.87% |
| 卸売業 | -0.88% | 7 | 丸紅 +1.02% |
| パルプ・紙 | -1.23% | 2 | 王子ホールディングス +0.49% |
| 不動産業 | -1.30% | 4 | 三菱地所 +0.13% |
| 保険業 | -1.36% | 5 | 第一生命ホールディングス +0.80% |
| 鉄鋼 | -1.50% | 3 | 神戸製鋼所 -0.99% |
| 倉庫・運輸関連業 | -1.50% | 2 | ヤマトホールディングス +0.06% |
| 建設業 | -1.52% | 9 | 積水ハウス +0.43% |
| その他製品 | -1.75% | 6 | 任天堂 +1.52% |
| 輸送用機器 | -2.38% | 13 | 本田技研工業 +7.31% |
| 非鉄金属 | -2.65% | 10 | フジクラ +2.74% |
| 水産・農林業 | -3.06% | 2 | マルハニチロ -1.79% |
| 繊維製品 | -3.43% | 4 | 帝人 +0.56% |
| 空運業 | -3.43% | 1※ | ANAホールディングス -3.43% |
| 金属製品 | -3.61% | 1※ | 東洋製罐グループホールディングス -3.61% |
| 医薬品 | -3.88% | 11 | エーザイ +0.18% |
| 情報・通信業 | -5.84% | 13 | 東宝 -0.29% |
※ウォッチリスト1銘柄のセクター
上位3セクターのポイント:
精密機器(+6.38%) は今週最も際立ったセクターでした。SCREENホールディングス(7735)が+23.59%と驚異的な上昇を見せており、5銘柄平均+6.38%という高水準に大きく貢献しています。半導体製造装置メーカー全体への旺盛な需要期待が背景にあるとみられます。
銀行業(+4.34%) は10銘柄平均で安定した上昇を見せました。ゆうちょ銀行(7182)が+7.18%でセクターをリード。金利動向への期待感が引き続き追い風になっているかもしれません。
ガラス・土石製品(+2.76%) はAGC(5201)の+15.86%が大きく影響しています。半導体向け特殊ガラス基板などへの需要拡大期待が評価された可能性がありますね。
下位3セクターのポイント:
情報・通信業(-5.84%) は13銘柄平均で週間最大の下落でした。ソフトバンクグループ(9984)の-13.63%が大きく響いており、GMOペイメントゲートウェイ、Sansan、メルカリなど主要IT株も軒並み下落しています。セクター全体への売り圧力が強まった1週間でした。
医薬品(-3.88%) は住友ファーマ(4506)が-9.53%、第一三共(4568)が-8.67%と大型銘柄が大幅安となりました。
非鉄金属(-2.65%) は三井金属鉱業(5706)の-14.47%が大きな押し下げ要因でしたが、10銘柄平均は-2.65%にとどまっています。フジクラ(5803)の+2.74%など、プラス銘柄もある中での平均値です。
値上がり注目銘柄
今週の週間上昇率上位5銘柄をピックアップします。
SCREENホールディングス(7735) — 週末終値13,440円(前週末10,875円)、週間+23.59%
今週の値上がりトップは半導体洗浄装置大手のSCREENホールディングスでした。わずか4営業日で約2割超の上昇というのは相当なインパクトですね。AI向け先端半導体の製造需要拡大や、受注環境の改善期待が材料視されたとみられます。出来高も週平均約290万株と活発でした。
東京エレクトロン(8035) — 週末終値63,660円(前週末53,060円)、週間+19.98%
同じく半導体製造装置の最大手、東京エレクトロンが週間+19.98%。日経平均への寄与度が高い銘柄だけに、今週の指数上昇を大きく牽引しました。SCREENと合わせて、製造装置セクターへの資金集中が印象的な週でした。
AGC(5201) — 週末終値8,117円(前週末7,006円)、週間+15.86%
ガラス大手のAGCが+15.86%と大幅高。半導体向けガラス基板など高機能材料への需要拡大期待が材料視された可能性があります。ガラス・土石製品セクターをリードした存在でもありました。
ディスコ(6146) — 週末終値72,210円(前週末63,760円)、週間+13.25%
半導体ウエハーの切断・研削装置で世界トップクラスのシェアを持つディスコが+13.25%。SCREEN・TELと同じ流れで製造装置株全体への買いが波及した形です。出来高は週平均約173万株でした。
GSユアサ(6674) — 週末終値7,185円(前週末6,409円)、週間+12.11%
車載・産業用電池のGSユアサが+12.11%。EV普及や蓄電池需要の拡大期待が改めて評価された週でした。グリーンエネルギーテーマが全体として軟調な中、際立つ上昇でしたね。
値下がり注目銘柄
今週の週間下落率上位5銘柄をピックアップします。
三井金属鉱業(5706) — 週末終値46,050円(前週末53,840円)、週間-14.47%
週間下落率トップは三井金属鉱業でした。非鉄金属市況の軟化や同社特有の材料事業に対する懸念が影響したとみられます。非鉄金属セクター全体(週間-2.65%)の中でも下落幅は突出しており、個別要因の側面が大きそうです。
ソフトバンクグループ(9984) — 週末終値7,377円(前週末8,541円)、週間-13.63%
日経平均採用銘柄の中でも存在感が大きいSBGが-13.63%と急落しました。AI投資戦略や傘下企業の業績に関する懸念が意識された可能性があります。同社の日経平均への寄与度が高いため、この急落がなければ指数の週間パフォーマンスはさらに高かったかもしれません。
GMOペイメントゲートウェイ(3769) — 週末終値7,900円(前週末9,069円)、週間-12.89%
決済サービス大手のGMOペイメントゲートウェイが-12.89%。情報・通信業セクター全体への売りが続く中、バリュエーション調整が進んだ形です。週平均出来高は約27万株と比較的薄く、売りの影響が価格に出やすい状況かもしれません。
Sansan(4443) — 週末終値1,561円(前週末1,765円)、週間-11.56%
クラウド型名刺管理のSansanが-11.56%。IT・SaaS株全般への逆風が続く中での調整です。情報・通信業セクターは週間-5.84%と全セクター最低でしたが、Sansanはその中でも下落幅が大きい銘柄の1つでした。
メルカリ(4385) — 週末終値3,755円(前週末4,160円)、週間-9.74%
フリマアプリのメルカリが-9.74%。国内外の競争環境や収益性への懸念が引き続き意識されているとみられます。IT・グロース株全体に逆風が吹いた1週間でした。
テーマ株動向
今週の主要テーマ別の週間パフォーマンスをまとめます。
AI・半導体(週間平均+6.00%)
今週最も強いテーマでした。ソシオネクスト(6526)が週間+8.61%でテーマ内ベストを記録しており、SCREEN(+23.59%)、東京エレクトロン(+19.98%)、レーザーテック(6920、+11.39%)、アドバンテスト(6857、+9.72%)と製造装置・半導体設計株が軒並み大幅高となっています。生成AI需要を背景にした先端半導体製造への投資期待が続いていることが数字に表れていますね。
防衛(週間平均-6.87%)
防衛テーマは週間平均-6.87%と大幅な調整となりました。テーマ内では三菱重工業(7011)が+3.58%と健闘しましたが、その他の銘柄が大きく下落した形です。防衛費増額を背景に昨年来の強い上昇トレンドが続いてきただけに、高値警戒感からの利益確定売りが出やすい局面に入っている可能性があります。
グリーンエネルギー(週間平均-3.92%)
グリーンエネルギーテーマは週間平均-3.92%と軟調でした。テーマ内では安川電機(6506)が+8.00%と際立った上昇を見せましたが、全体としては調整色が強まっています。エネルギー関連政策の動向や、コスト環境への不透明感が引き続き重石になっているかもしれません。
今週のまとめ
2026年第23週(6/1〜6/4)の日本株市場を一言で表すなら、「日経平均は上昇したが、中身は二極化が鮮明」だった1週間でした。
SCREENホールディングスの+23.59%、東京エレクトロンの+19.98%という半導体製造装置株の急騰が日経平均を押し上げた一方、ソフトバンクグループの-13.63%や情報・通信業セクター全体(-5.84%)の大幅安が重石となりました。1日平均の値上がり銘柄(101社)が値下がり銘柄(147社)を下回るという市場の内部状況も、TOPIX+0.19%という数字に如実に現れています。
日経平均(+1.67%)とTOPIX(+0.19%)の乖離が約1.5ポイントに達したことは、市場全体が均等に上昇したのではなく、一部の大型株・テーマ株に資金が集中していることを示しているかもしれません。AI・半導体テーマは引き続き強さを維持しており、銀行業の安定感も印象的でした。一方、情報・通信業、医薬品、防衛などは調整局面が続いています。
来週以降、半導体テーマへの集中が続くのか、それとも物色が広がって市場全体の体温が上がるのかが注目ポイントになりそうですね。セクターローテーションの動きを丁寧に追いながら、市場内部のバランスを見極めていく局面が続きそうです。
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